鉄道省 戦前の横須賀線夏季小荷物輸送用荷物電車編成です。全車木造省線電車となります。
このモデルはNゲージの１/１５０です。HOゲージではありません。
戦前期の横須賀線沿線は、夏季になると東京からの避暑を兼ねた海水浴遊覧や逗留が盛んで、そのために沿線人口が激増するという現象が起き、その人々のための新聞雑誌・郵便物・小荷物の配送が隆盛を極めました。通常期でも横須賀にある海軍の関係で輸送量は多かったうえ、一般電車でも郵便荷物合造車が連結される程の輸送量でしたが、夏季は更に休車このモデルではそのような時期の臨時小荷物列車を再現しております。車輌はモニ13・モハ10・サニ27の3両編成にしてみました。車輌番号は、戦後まで残っていたものを当てていますが、資料写真が殆どなく、更にサニ27に至っては一枚も発見できなかったため、想像で製作した部分が多々あります。・モニ13019 この車両は両運転台型木造荷物電車で、大正12年度13年車(1924)年製のデハ63100形1次車のデハ63104号車が出自です。昭和3(1928)年に形式称号改正でモハ10形10006となり、昭和9(1934)年にモニ13形荷物電車に改造されました。デハ63100形の初期車はドア配置や窓割などが二次型とは大きく異なっていて、むしろ前時代のデハ23500に近い形をしています。この車両は戦後まで残り、昭和28(1953)年には形式称号改正でモニ3416となりましたが、すぐにモニ13鋼製車のタネ車とされています。鋼体化後はモニ(クモニ)13033となりました。・モハ10102 この車両は事業用の予備車だったようで、他の木造車が鋼体化(モハ50・クハ65等)のために次々解体されてゆく中戦後まで残っています。車体は2次車でドア幅、窓割等もモハ50の原型になっています出自はデハ63100形63200、大正15年度昭和元(1926）年・日車東京製、昭和3(1928)年の改正でモハ10102となりました。戦時を持ちこたえて、昭和24～25(1949～1950)年頃に用途廃止となっています。・サニ27001 この車両がこの編成では一番古くなります。出自はデハ23500系列の合造車のデハユニ23850形23850号になります。大正9(1920)年製。昭和3(1928)年に車体改造でデニ6456となり、同年中に称号改正でモニ3007となります。その後、時期不詳ながら電装解除して、形式もサニ27となり27001号と表記されていました。この車両は主に夏季輸送専用で使われていたようで、他の季節には大井工場内に放置されていたようです。戦後まで生き残り、戦後も数回使用されたようですが、老朽化著しく昭和23(1948)年に廃車解体されました。ちなみに、この車両と同じように使用されていたモユニ2003という木造荷物車がありましたが、終戦直前に63形クハ79025に機器類を譲って廃車となっています。
このモデルは省線木造電車(横須賀線臨時小荷物輸送用)をプロトタイプとした完全自作車です。車体はケント紙・プラ板材・プラ角材・桧材使用で、ウインドシルは二段表現しています。屋根は二重屋根で、明り取り窓を抜いています。窓ガラスは透明プラ、明り取り窓は半透明（スリガラス）にしています。床板はボード紙・プラ線材・プラ成型材・鉛板等使用、トラスロットとクィーンポストを設置しています。床下機器はモハ・モニは一般旧型制御機器類、サニはブレーキシリンダ・エアタンク大小・つなぎスイッチ箱程度です。車端にはコンセント箱・上り側には電気連結栓箱を設置してあります。連結器はトミックス密連、動力台車のみ台車マウントとしています。パンタは本来だとPS2型になるかと思いますが、市販品には無くPS11を使用しています。台車はDT11・TR11で、鉄道コレクションのものを流用・金属車輪にしています。動力は、モニ13に搭載で非パンタ側のみの片肺です。一応3両編成は牽引できます。塗装は、屋根上はベンチレター含めトルベーペイント色(サーモンピンク)、パンタは黒色・車体はぶどう色のくすんだ重ねまして、この車両は鉄道省木造電車モニ13・モハ10・サニ27をプロトとしたNゲージです。資料不足による車体寸法違い・歪み・塗装違い・部品の欠落や未設置等がございます。
また、極美品・市販品と同等の物をお求めの方また、神経質な方のご入札はご遠慮お願い申し上げます。ＮＣＮＲにて何卒よろしくお願い致します。